気天舎について

会社概要

(有)気天舎
KITENSHA Publications, Ltd.
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http://www.kitensha.co.jp
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代表案内


会社概況を列記できるほどの規模の会社ではありませんので、出版業界紙『新文化』の「ひと/仕事」欄に掲載された(2002年8月8日/第2464号)気天舎・西岡の記事を転載します。

今年6月に創立5周年を迎えた武格連(武道・格闘技版元連絡会議)は、格闘技関連書籍・ビデオの販促に出版社が連合して取り組む、世界的にも稀な組織である。

同団体の創立から会長を務める西岡泰和氏は、太気拳を中心とした武術専門出版社・気天舎を一人で経営している。創業は武格連と同じ1997年。5年間の発行点数は書籍12点、ビデオ6点。新興零細出版社を営む西岡氏が、会員11社を束ねる首領(どん)の座にいるのには、それなりの理由がある。

自身は「高校時代に柔道を少しかじった程度」という西岡氏が事実上武術に初遭遇したのは、1976年、日貿出版社に入社して3年目のこと。編集者として初めて手がけた『実戦中国拳法・太気拳』で、伝説的武術家の“拳聖”澤井健一に出会い、その人柄に惚れ込んだ。以来、「東洋武術の技と心を伝えることこそ使命」と、数点の例外を除き格闘技・武術の本ばかりを作るようになる。79年にはスポーツライフ社の設立に参画したが、同社創業の目的自体、キックボクシングジム会長・黒崎健時氏の『必死の力・必死の心』を刊行することだった。

同書は今でこそ、続編や復刻版も出て“格闘技のバイブル”となっているが、刊行当時は「多くの書店は格闘家の本を“キワモノ”としか見なかった。まず、置く棚がなかった」という。いまや大型店で格闘技コーナーのない書店はゼロといっていいが、その歴史は意外に浅い。

スポーツライフ社は、格闘技・武術・プロレス本の出版社として、その存在感を次第に高めた。大山倍達、アントニオ猪木、エディ・タウンゼント、ウィリー・ウィリアムス…。西岡氏は今の格闘技ファンなら誰もが知る人物と関わり、彼らのメッセージを形にしてきた。在籍した14年間で手がけた本は約80点。武格連メンバーも含め、西岡氏の作った本をきっかけに格闘技の魅力に憑かれた人は数多い。

だが「素晴らしい出会いも多かったが、格闘技ビジネスの裏側に嫌気もさした」と、93年にイースト・プレスへ移籍。ここでは営業部に所属し、部長も務めた。「広い意味で出版を学ぶ、良いリハビリ」を経て97年の独立に至った。

現在、武格連会長としては“売れる”格闘技コーナーの展開に務めているが、一出版人としての思いは、初めて本を手がけた26年前に回帰している。9月には雑誌『武術と心体』を創刊予定。発行は1500部程度。通販中心となる。

「商売としての格闘技はスターを作ることで成り立つ。だが、流行るものというのは総じて一流半以下なんです。そこには真に伝えるべき技術と精神はない」

今後はマスメディアに載らない専門領域の技と心を読者に直接伝え、そこから次代の伝承者を育てたいと語る。
(石)


子供の頃から何をやっても長続きせず、中学で野球部に入ったものの一年半でやめ、美術部へ。高校では強さに憧れ柔道を一年、美術部に誘われて絵を描いてはいたものの卒業後はさっぱり。大学は映画と××三昧の日々、二年で中退。

そんな私の転機は、就職二社目の日貿出版社で出版の心と技術を教えて頂いたこと、尊敬できる上司と良き先輩・同僚に巡り合えたことです。そして何よりも澤井健一先生に出会い、師事したことでした。気が付いてみれば30年出版の仕事をしています。

柔道の創始者嘉納治五郎先生は「精力善用」「自他協栄」を唱え、世界に柔道を弘めました。その柔道を学び、剣道、居合道を修め、意拳に遭遇して太気拳(太氣至誠拳法)を創始した澤井健一先生。武道一筋に生きた拳聖澤井健一先生の生きざまに武の本質が視えると確信しています。気天舎は、そのような先達の技と心を伝えるべく今後も出版活動を続けてまいります。
(2004年7月 気天舎・西岡泰和)